このミステリーがすごい!歴代ランキングの歴史と投票システムの変化を徹底解説
1988年の創刊以来、日本のミステリー小説シーンにおいて絶大な影響力を持ち続けている『このミステリーがすごい!』(宝島社)。年末の発表が近づくたびに、多くのミステリーファンや出版業界関係者が注目する一大イベントとして知られています。本記事では、長年にわたる歴史やランキングの選考システム、国内・海外部門の特徴、そして選考の裏側に至るまで、知りたい情報を分かりやすく徹底的に解説します。
『このミス』の愛称で親しまれるこのガイドブックは、単なるランキングの掲載にとどまらず、その年のミステリー界のトレンドを映し出す鏡としての役割を果たしてきました。創刊からの歩みや独自の投票形式、さらには新人発掘のための『このミステリーがすごい!』大賞の創設など、日本のエンターテインメント小説の発展を支えてきたその全貌を紐解いていきます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:1988年に『別冊宝島』の一企画として創刊され、年末のミステリーランキングの代名詞として定着している。
- 要点2:国内部門と海外部門に分かれた投票形式を採用し、2002年からは新人賞である『このミステリーがすごい!』大賞もスタートした。
- 要点3:公平性の担保に向けたルール改定(自社作品の扱いなど)や、黒猫探偵「ニャームズ」の登場など、時代に合わせた変化を続けている。
『このミステリーがすごい!』の創刊背景と歴史的ルーツ
『このミステリーがすごい!』は、1988年に宝島社の『別冊宝島』の誌面において誕生しました。当時の日本の出版界やミステリーファンを取り巻く環境の中で、新しい視点を持ったランキング企画としてスタートしています。
公式記録や関係者の証言によると、創刊編集者である石倉笑が当時『週刊文春』で行われていた年末の「傑作ミステリーベスト10」企画に対して抱いていたある種の違和感や、独自の視点で本当に面白い作品を網羅したいという思いが企画の原点となりました。また、企画者である茶木則雄らとともに、既存の文学賞の枠組みにとらわれない、読者目線に立った新しいミステリーガイドの形を模索したことが、現在のロングセラーへと繋がっています。
創刊当初から、単に順位をつけるだけでなく、覆面座談会形式の深い作品評や詳細なデータを取り入れることで、ミステリーファンの熱烈な支持を獲得しました。時代ごとに変化する読者の嗜好を的確に捉えながら、日本のジャンル小説の底上げに大きく貢献してきた歴史を持っています。
国内部門と海外部門を支える独自の投票形式と選考の仕組み
『このミス』のランキングは、独自の投票形式を採用している点が最大の特徴です。国内部門と海外部門のそれぞれにおいて、ベストテンが選出される仕組みとなっています。
投票には、書評家、作家、ミステリーに精通した書店員、各界の読書家など、幅広い層の有識者が参加しています。投票者は対象期間内に刊行されたミステリー作品の中から優れたものを複数選び、独自のポイント換算によって総合ランキングが決定されます。この多様な投票者層による多角的な評価が、ランキングの信頼性と権威性を高める要因となっています。
また、選考の公平性を巡っては、時代とともにルールの見直しが行われてきました。長年にわたり「公平を期すため宝島社の自社作品はランキング対象外」というルールが厳格に守られてきましたが、近年の出版市場や刊行タイトルの多様化を反映し、2021年版からは宝島社の刊行物も投票対象に含まれるようになるなど、柔軟な制度改定が行われています。
『このミス』の歴史と主要なトーン&マイルストーン
長年にわたる『このミステリーがすごい!』の歩みや主な出来事を、分かりやすく整理して以下に示します。
| 時期・年号 | 主な出来事・展開 | 備考・詳細 |
|---|---|---|
| 1988年 | 『別冊宝島』にて『このミステリーがすごい!』創刊 | 創刊編集者は石倉笑。既存のミステリー企画への思いから誕生。 |
| 2002年 | 『このミステリーがすごい!』大賞の創設 | 新人作家の登竜門として、新しい才能の発掘を目的としてスタート。 |
| 2009年 | 公式キャラクター「ニャームズ」の登場 | 誌面やガイドブックの随所に黒猫探偵のキャラクターが配される。 |
| 2021年版〜 | ランキング投票対象のルール改定 | これまで対象外だった宝島社の刊行物も投票対象に加わる。 |
新人作家の登竜門:『このミステリーがすごい!』大賞の功績
2002年からは、ランキング誌面の発行にとどまらず、新たな才能を発掘・育成することを目的とした『このミステリーがすごい!』大賞が新設されました。企画者である茶木則雄らが中心となり、エンターテインメント性の高い優れた新人作品を広く募集する仕組みを作り上げました。
この賞の最大の特徴は、受賞作の刊行だけでなく、映画化やドラマ化といったメディアミックスを見据えた商業性の高い作品を積極的に世に送り出す点にあります。これまでに多くの才能ある作家を輩出し、日本のミステリー界の裾野を大きく広げる原動力となってきました。
新人賞出身の作家たちが、のちに国内外の主要な文学賞を受賞するなど、現在の日本のミステリーシーンを牽引する中心人物へと成長していることからも、同賞が果たしてきた役割の大きさがうかがえます。
愛されるマスコット:黒猫探偵「ニャームズ」の存在
ランキングの解説や誌面構成において、読者に親しまれている要素の一つが、2009年から登場している黒猫探偵「ニャームズ」の存在です。
硬派なミステリー評論や膨大なデータが並ぶ誌面において、ナビゲーターとしての役割を果たすニャームズは、読者の緊張を和らげ、親しみやすさを与える重要なキャラクターとなっています。ランキングの歴史が長くなるにつれて、こうした細やかな演出やビジュアル面の工夫も、長寿ブランドとしての魅力維持に寄与してきました。
専門的な考察と親しみやすい編集方針のバランスが、『このミス』が幅広い世代のミステリーファンに愛され続けている理由の一つと言えます。
【プロの結論】『このミステリーがすごい!』が現代の読書文化に遺す価値
『このミステリーがすごい!』が30年以上にわたって日本の出版界で圧倒的な存在感を放ち続けている理由は、単なる売上ランキングではなく、選考者たちの熱量と独自の視点に基づいた「信頼性の高い羅針盤」であり続けた点にあります。
国内部門・海外部門を通じた優れた作品の掘り起こしや、新人賞を通した次世代の育成、そして時代に応じたルールのアップデートなど、常に変化を恐れない姿勢が現在の評価を築き上げました。多様化する現代のエンターテインメント環境においても、年末の風物詩として、そして確かな目利きガイドとして、その価値は今後も揺るぎないものであり続けるでしょう。
【このミステリー がすごい】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:『このミス』のランキングはどのようにして決まりますか?
A1:書評家、作家、書店員、読書家などの有識者による投票形式で選出され、ポイント集計によって国内部門および海外部門のベストテンが決定されます。
Q2:宝島社の自社作品はランキングの対象になりますか?
A2:かつては公平性を期すために自社作品は対象外とされていましたが、2021年版の改定以降は宝島社の刊行物も投票対象に含まれるようになっています。
Q3:『このミステリーがすごい!』大賞とは何ですか?
A3:2002年に創設された新人作家向けの公募文学賞であり、エンターテインメント性に優れた新しい才能を発掘し、書籍化や映像化を積極的に展開しています。 (出典: この ミステリー が すごい(Yahoo!ニュース))